「昔からあぐらがかけない」60代男性|膝が開かず後ろにグラグラする原因を全身の姿勢と重心から考えた症例

「昔から、あぐらがかけないんです。」

今回ご相談いただいたのは60代男性。

始めは腰の痛みで訪れたのがきっかけ以来、腰が気にならなくなり
愛犬の散歩をたのしみたいので、1ヶ月に1回の頻度でメンテナンスに
平日の朝いちばんにいらしてくださる健康意識の高い方です。

気心もしれた間柄ではありますが、前述の言葉が今朝
ふいに発せられたんですね。

昔から、あぐらをかこうとすると、
両膝が上がって床方向へ下がらない。
さらに、座っていると身体が後ろへグラグラして、倒れそうになる
というご相談でした。

このような場合、「股関節が硬いから」「年齢のせい」と
考えてしまうこともあります。

しかし、今回のケースでは、最初から股関節だけを見るのではなく、
毎度のことながら先ずは
立ったときの姿勢・骨盤・重心・頭部の位置など、
全身の状態を確認するところから始めました。

まず確認した「立っている姿勢」

立位姿勢を確認すると、

・骨盤が後傾しやすい
・踵側へ重心が乗りやすい
・頭部が体幹より前方に位置している
・上半身が若干右側へ傾いている

という身体の使い方の特徴が見られました。

もちろん、これだけを見て「この姿勢があぐらをかけない原因」と
断定することはできません。

ただ、座る・立つ・歩くといった日常動作では、
身体はそれぞれの部位が独立して動いているわけではありません。

足元から骨盤、背骨、頭部まで、身体全体で
バランスを取りながら動作しています。

そこで今回は、まずこの全身の姿勢と重心の状態を整えることを優先しました。

全身を整えた後、もう一度「あぐら」を確認

通常の施術で全身のバランスを整えた後、
改めてあぐらをかいてもらいました。

すると、
まだ両膝が十分に床方向へ下がるわけではありません。

そこで、
両足の裏を合わせた状態で、
左右の膝がどのように動くのかを細かく確認しました。

すると、

右膝が左膝よりも床方向へ倒れにくい

という左右差が確認できました。

ここで初めて、股関節周囲、
とくに内転筋を含めた筋機能や運動コントロールに
左右差がある可能性を考えました。

大切なのは、ここでも「右内転筋が原因」と
決めつけないことです。

股関節の動きには、関節の可動性、筋肉の柔軟性や収縮、
骨盤の動き、神経筋のコントロールなど、さまざまな要素が関係します。

右膝の動きに対してPNFテクニック

そこで今回は、右膝を内側へ立てようとする動きに対して、
術者が反対方向へ抵抗を加え、拮抗するような運動を行いました。

PNF(Proprioceptive Neuromuscular Facilitation:固有受容性神経筋促通法)
の考え方を利用したアプローチです。

今回は、

7秒程度の拮抗運動 × 3セット

を行いました。

その後、再びあぐらをかいてもらいます。

「膝が開く」だけではなかった変化

再度あぐらをかいてもらうと、興味深い変化がありました。

単純に「膝が下がった」というだけではありません。

先ほどまで感じていた、

「後ろへグラグラする感じ」

が少なくなり、座った状態での荷重が安定しました。

つまり今回のポイントは、

全身の姿勢・重心を整える

あぐらで左右差を確認する

右側の動きに対してアプローチする

再びあぐらを確認する

座位での荷重・安定性に変化が見られた

という一連の流れです。

「あぐらがかけない」からといって、
股関節だけを見るわけではない

あぐらが苦手な方を見るとき、
どうしても「股関節が硬い」という部分に目が向きます。

もちろん、股関節の可動性は重要です。

しかし今回のように、立位での重心や骨盤の位置、頭部の位置、
上半身の傾きなどを確認してみると、
身体全体がどのようにバランスを取っているのかという視点も重要になります。

例えば、

「床に座ると後ろへ倒れそうになる」

という訴えがあったとしても、
座位だけを見ていると原因となる身体の特徴を見落とす可能性があります。

立った状態ではどうなのか。

どこに体重が乗っているのか。

骨盤はどの方向へ動きやすいのか。

頭部は体幹に対してどの位置にあるのか。

左右で動きに違いはあるのか。

こうした情報を組み合わせて身体を評価していきます。

「年齢だから身体が硬い」と諦める前に

60代、70代になると、

「昔より身体が硬くなった」
「あぐらがかけなくなった」
「床に座るのが苦手になった」
「膝が開かない」
「座ると後ろへ倒れそうになる」
「左右で股関節の動きが違う」

と感じることがあります。

もちろん、
加齢に伴って関節可動域や筋力などが変化することはあります。

しかし、
だからといって「年齢だから仕方ない」と最初から諦める必要はありません。

大切なのは、
現在の身体がどのような姿勢・重心・
動作パターンで動いているのかを確認すること
です。

今回の60代男性のケースでも、
最初から「右内転筋だけ」を見るのではなく、まず全身の状態を確認し、
その後にあぐらで左右差を確認しました。

身体の一部分だけではなく「動作全体」を見る

神泉カイロプラクティックいわもと整体院では、
症状が出ている場所だけを見るのではなく、

姿勢・重心・関節の動き・左右差・身体全体のバランスを確認しながら、
現在の身体の状態を評価すること
を大切にしています。

「昔からあぐらがかけない」

「膝が床まで下がらない」

「床に座ると後ろへ倒れそうになる」

「左右で股関節の動きが違う」

「身体が硬くなった気がする」

このようなお悩みがある方は、単純にストレッチだけを繰り返すのではなく、
なぜその動きがしにくいのかを一度確認してみることも選択肢の一つです。

渋谷区・神泉町を中心に、
初台・幡ヶ谷・代々木上原・富ヶ谷・駒場・池尻大橋などから、
姿勢や身体の動かしにくさについてご相談いただいています。

「年齢だから仕方ない」と諦める前に、まずは今の身体の状態を確認してみませんか?

詳しい施術方針やご相談については、いわもと整体院のホームページをご覧ください。

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