カイロプラクターの私が脊柱管狭窄症になって初めてわかったこと
「まさか自分が脊柱管狭窄症になるなんて…」
これは実際に私自身が脊柱管狭窄症を発症した日の率直な感想です。
普段から身体の仕組みを学び、多くの患者さんの身体を見させていただいている私ですが、いざ自分がその立場になってみると、教科書ではわからない現実がたくさんありました。
突然起きた異変
その日は事務作業が続いていました。
少し疲れたので椅子の上で背伸びをしながら上半身を反らし、背もたれへ寄りかかろうとした瞬間です。
左の下腹部から太ももの前側、膝のお皿あたりまで、
「熱い飲み物をこぼした!」
と思うような感覚が一気に走りました。
暖かい液体がザラーッと流れたような不思議な感覚です。
思わず
「やっちゃった!」
と立ち上がろうとした瞬間、
今度は左腰から左太ももの外側にかけて鋭い痛みが走りました。
その時点で私の頭に浮かんだのは、
「神経根だな・・・」
ということでした。
カイロプラクターだからこそ気付いたこと
一般の方であれば「筋肉を痛めたかな?」と考えるかもしれません。
しかし私の場合は、症状が出た瞬間に神経症状を疑いました。
なぜなら、
- 太ももの前面に沿って広がる感覚異常
- 熱い液体が流れるような異常感覚
- 腰を反らすと悪化する
- 前かがみで軽減する
これらが神経根症状の特徴と一致していたからです。
特にL3~L4神経根周辺が関係している可能性を考えました。
もちろんこの時点では確定ではありません。
しかし身体が発しているサインを観察していくと、筋肉や関節の問題だけではないことは明らかでした。
左下腹部から大腿前面、そして膝周辺へ流れた熱感。
暖かい飲み物をこぼしたような感覚。
痛みの範囲や出方から考えると、脊髄そのものではなく、腰椎から出ている神経根への刺激や圧迫が起きている可能性が高い。
解剖学を学んできた人間としては、その瞬間にそんなことを考えていました。
ただ同時に、
「まさか本当に自分が体験することになるとは・・・」
という気持ちもありました。
日頃から患者さんへ説明している神経症状を、今まさに自分自身の身体で経験しているのです。
冷静に症状を分析する自分と、不安を感じる自分が同居している不思議な感覚でした。
前かがみになると少し楽
状態を確認すると特徴的なことがありました。
上半身を反らすと痛みが強くなる。
逆に前かがみになると少し楽になる。
これは脊柱管狭窄症でよく見られる特徴です。
腰を反ることで神経の通り道が狭くなり、神経への圧迫が強まるためです。
歩けないという現実
次に歩けるかを確認しました。
しかし、普段のようには歩けません。
前傾姿勢になり、
左脚を大きく前へ出せない。
歩幅は小さくなり、
スピードも極端に落ちます。
身体全体に余計な力が入り続けるため疲労感も強くなります。
普段なら徒歩15分で帰宅できる距離。
しかしこの日は60分以上かかりました。
周囲から見れば普通に歩いているように見えるかもしれません。
でも本人は必死です。
「なんとか家まで辿り着きたい」
その一心でした。
脊柱管狭窄症の方が
「見た目では分かってもらえない」
と言われる理由を身をもって体験しました。
本当につらかったのは夜
帰宅後も試練は続きます。
着替え。
入浴。
食事。
愛犬の散歩。
普段は当たり前にできることが非常に大変になります。
そして一番つらかったのが睡眠でした。
仰向けになると症状が強まる。
寝返りを打つたびに激痛で目が覚める。
何十回も目が覚める夜でした。
最終的には、
左肩を下にした横向き姿勢。
海老のように身体を丸める姿勢。
さらに壁側へクッションを置き、寝返りを防ぐように身体を固定してようやく眠れる状態でした。
患者さんの気持ちがよく分かった
これまで多くの脊柱管狭窄症の患者さんを見てきました。
しかし実際に自分が経験してみて初めて分かったことがあります。
それは、
「痛み」だけが問題ではない
ということです。
歩けない。
眠れない。
疲れる。
不安になる。
家族に頼らなければならない。
日常生活そのものが大きく制限されます。
患者さんが訴えていた苦労を、自分自身の身体で体験することになりました。
脊柱管狭窄症は腰だけの問題ではない
私は普段から、
身体全体のバランスを見ることの重要性をお伝えしています。
脊柱管狭窄症と診断されても、症状の出方や重症度には大きな個人差があります。
骨盤の状態。
股関節の動き。
背骨全体の柔軟性。
歩き方の癖。
筋肉の緊張。
こうした全身のバランスが神経への負担に大きく関係しています。
実際に自分が発症したことで、その重要性を改めて実感しました。
同じ悩みを抱えている方へ
もし今、
- 歩くと脚が痛くなる
- 前かがみになると楽
- 長く立っていられない
- 夜眠れない
- 手術以外の方法を探している
そんな状態で悩んでいるのであれば、一人で抱え込まないでください。
私自身が経験したからこそ分かることがあります。
そして身体全体のバランスという視点からお手伝いできることもあります。
脊柱管狭窄症は単に腰だけを見るのではなく、身体全体の状態を確認することが大切です。
今回の体験談が、同じ悩みを抱えている方の参考になれば幸いです。
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